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宅建試験は15%の狭き門?合格率が低い理由に迫る!【難易度の現実(リアル)徹底追及】
不動産業界や金融関係に就職・転職を考えられている方は「宅建士が有利」という情報をキャッチして、どれくらいの難易度なのか?合格率等を調査されている事と思います。まあ「手軽にゲットして最大限の利益を得たい!」というのは誰しも思う事ですよね。
しかし「15%程度」という合格率を目の当たりにして「うっわ・・・低すぎ」とお感じの方も多いのではないでしょうか。しかし合格率だけを見てやる気を無くすのは早計です。
宅建試験の合格率はどうしても「低めに出てしまう」複数の要因がありますので、実際はもっと受かりやすい資格だと言えますので、諦めるのは大変勿体ないです。
本記事では宅建士の合格率の推移と傾向、なぜ合格率が低くくなるのかその理由、宅建士の関連資格の合格率との比較を行い、15%の狭き門と言われる宅建試験の真実に迫ります。
この記事の目次
宅建試験の合格率の推移
合格率の推移を過去十年分遡ると15%~17%の間をウロウロしており、平均で16%程度となっています。合格率の方向性としては概ね横ばいと言った形でしょうか。
試験の種類によっては合格率の変動が非常に大きいものもありますが、宅建試験については異様と言える程安定しています。これは宅建試験の合格基準は毎年少しずつ変動する「相対評価」の試験となっているためです。
相対評価の試験によって合格基準を動かす事で合格率を一定に保つように調整が入っていると言うわけですね。
なぜこんな事をするのかと言うと、合格率が高すぎても資格の持つ価値が下がりますし、低すぎると受験する人がいなくなってしまうため、適度な合格率を維持する事で宅建のブランド力を保っていると言えます。
まあ、今後急に難化するかも知れませんし将来的な事はなんとも言えませんが、過去を省みる限りではは15%~17%の合格率は維持されると予想出来ます。
宅建試験は法律系の国家資格の中では比較的合格しやすい資格だと言われていますが、6人に1人しか合格しない訳ですから狭き門と言って良いでしょう。
しかし受験者の様々な背景を分析すると、受験者のモチベーションが今一つ低いと言わしめる理由が見受けられます。そのため、合格率が低めに出ていると思いますので、惑わされて宅建士の取得を諦めるのは勿体ないと思います。
「宅建試験は本当に狭き門なのか?」更に合格率の現実(リアル)に迫ってみましょう。
合格率が低くなる理由をズバリ解説
受験資格フリーによる受験生の質の低下
資格試験は、年齢・学歴・実務経験・前提となる資格を持っているか等、受験資格が存在するものも多くありますが、宅建試験には受験資格はなくどなたでも受験する事が可能です。
受験料さえ支払えば、実力が伴っていなくとも受験は出来てしまいます。そのため「申し込んだんだし、勿体ないからとりあえず受けとくか・・・」という「記念受験者」が多くなる傾向にあると言えます。
普通は模擬試験や過去問等で「歯が立たない」と思った瞬間に受験を諦めるものですが、マークシートの択一問題(4択)なので「もしかしたらマグレで受かるかも?」と思わせる出題形式である事が要因かと思います。
更に科目毎の「足切り」が存在しないので、マグレ合格の確率が上昇する事も記念受験に拍車を掛けていると思います。とは言え年1発勝負の試験ですから、そうそうマグレ合格など発生しないのが実情です。
宅建試験は20万人を超える受験者が存在する日本屈指の規模を誇る資格ですから、記念受験者の数も相当な数に登ると思われます。実力が伴わない方が多数受験する事で、合格率が低く出てしまうと言えるでしょう。
申し込んで「ドタキャン!」が結構多い
上記のグラフはここ10年の申込者数・受験者数と「受験者数 ÷ 申込者数」の割合、すなわち受験率の推移を示しています。
注目すべきは宅建試験のドタキャン率の高さです、その数なんと「20%」つまり5人に1人は申し込んで受験しないという結果が出ています。これは準備が出来ていない方が相当数潜んでいると言う事になりますので、合格率を下げる要因と言えます。
申込者は緩やかに上昇してますが、逆に受験率が緩やかに下落を示していますので結構危険な兆候だと思います。この傾向が顕著になると、合格率を維持するために基準点を下げるのか、あるいは宅建士のブランドを維持するために合格率を下げるのか、方向性が変わる可能性もありそうですね。
ちなみに宅建試験の受験料は7,000円となっており、なんとも絶妙なリーズナブル感なので、以外とあっさりドタキャンしてしまうと思います。もしも10,000円を超えていれば、皆さんどうですかねドタキャンしますかね?
半ば強制的な受験によるモチベーションの低下
上記は年代別の宅建試験の受験者の構成(割合)を示したものとなっていますが、比べると20代の受験割合が最も高いのが見て取れますね。
不動産業界への就職を見越して「若い内に宅建を取っておくぞ!」という前向きな気持ちを評価したい所ですが・・・、入社したら数年以内に取得を義務付けられるケースが非常に多いという実情が反映された結果となっています。
業界必須の資格とは言え、会社から「絶対取れ!落ちたら許さん!」と言われるとやる気を無くしてしまうのは、誰しも当てはまる事だと思います。昇進・自己研鑽・資格手当ゲットのためと割り切れる方は、むしろ少数派だと考えます。
会社命令なので取り敢えず受験はするものの、ろくに勉強していないのであっさり不合格となってしまう方が相当数いらっしゃると思います。業界人が合格率を下げる最たる要因になってしまうのは、なんとも悲しい結果ですね。
多くを占める30代以上の受験者の合格率が低い
今度は逆に30代~の受験者層に目を向けて見ましょう。この年代はさらなるキャリアアップ・転職・独立を見越しての宅建取得が多いと思いますが、全体の60%以上を占めています。
年代別の合格率を見ると、以下の通り30代の合格率は20代に匹敵する合格率なのですが、40代・50代と年齢を重ねるにつれて合格率は下落傾向です。全体の多くを占める年代の合格率が低いため、全体の合格率を押し下げていると言えます。
■年代別・開催年度別の合格率 | |||
年代 | 2016年 合格率 |
2017年 合格率 |
2018年 合格率 |
20歳未満 | 14.2% | 12.9% | 11.8% |
20代 | 16.3% | 16.8% | 17.2% |
30代 | 16.5% | 16.2% | 16.9% |
40代 | 14.7% | 14.9% | 14.9% |
50代 | 13.0% | 13.9% | 12.1% |
60歳以上 | 11.8% | 12.1% | 10.3% |
やはり加齢に伴う学習効果の低下は影響があると言わざるを得ません。40代・50代になると業界経験の豊富な方も多いので合格率は上がりそうなもんですが、現実は厳しいですね・・・。
かく言う私管理人も最近「顔は出てくるけど名前が思い出せない」という症状が顕著なので、歳だなあと自覚する毎日です。法改正の時に条文を読み直しても、明らかに頭に入って来ないのがわかります(;´Д⊂)グスン。
ちなみに宅建士の最高齢合格者は90歳という方がいらっしゃいますので、年齢は関係無いと言えますがなるべく頭の柔らかい若い内に取っておくのが良いと思います。
殆どが社会人なので十分な学習時間が確保出来ない
宅建試験の受験者を職業別に分類すると上記の通り大部分が社会人となっています。
1日の内で資格の勉強に当てられる時間が限られているため、十分な実力を身につける前に試験を受ざるを得ない状況の方が相当数いらっしゃると思います。このような方々が合格率を下げる要因になっていると言えます。
通勤時間を考慮すると、勉強時間は確保出来ても2~3時間が限界と言った所でしょう。宅建を必要とする業界的に「常に残業なし」の定時退社が可能な業種は少ないと思いますので、更に勉強時間が削られると思います。
通勤ラッシュでボロボロになった体に鞭打って勉強するのは相当のモチベーションが必要です。「資格を取るなら自由な学生の内に!」と声を大にして言いたいと思います。
ちなみに職業別の合格率を見ると以下の通りで、意外にも主婦の方の合格率が突出しているのがわかります。
■職業別・開催年度別の合格率 | |||
職業 | 2016年 合格率 |
2017年 合格率 |
2018年 合格率 |
不動産業 | 15.0% | 15.4% | 16.0% |
金融業 | 15.3% | 16.7% | 15.7% |
建設業 | 10.6% | 10.4% | 11.0% |
他業種 | 16.6% | 17.2% | 16.3% |
学生 | 16.7% | 16.6% | 16.5% |
主婦 | 21.4% | 19.3% | 20.0% |
その他 | 19.5% | 18.0% | 16.8% |
主婦層は再就職のために取得する方が多いと思いますが、モチベーションの高さを伺い知る事が出来ます。あるいは、社会人よりも主婦の方が時間の使い方が上手なのかも知れませんね。
「勤め人よりも時間があるんじゃない?」というご意見をお持ちの旦那様は、ちょっと誤解があるかも知れません。主婦業は結構過密なスケジュールで移り変わりが激しいので、合間を縫っての勉強はかなりしんどいと思いますよ。
もしも、奥様が宅建の勉強を始められたらそれとなくサポートして差し上げてくださいね。
合格率に響く出題内容のポイント整理
「合格率が低くなる理由」とは少々テーマがずれるのですが、出題内容の「どのあたりでつまずいて不合格になりやすいのか?」を整理しておきます。
宅建試験は大きく「宅建業法・権利関係・法令上の制限・その他の法令」の4つの試験科目に分類されますので、それぞれの出題内容の特徴を整理しておきます。
宅建業法
宅建業法は「宅地建物取引業法」から出題されます。初学者の方がまず手を出すべき科目であり目新しさもあって、とっつきやすい(勉強しやすい)科目だと言えるでしょう。
教材や参考書の内容がストレートに出題される傾向にあり、得点に繋げやすい科目です。50問中20問が出題される最も出題が厚い部分なので、得点源として機能しますからしっかり得点を稼いでおきたい科目です。
権利関係
権利関係「民法・借地借家法・不動産登記法・建物区分所有法」などから出題されます。
権利関係では、法律の例外部分を突いて来たりします。「なぜそうなるのか?なぜそう解釈できるのか?」と言った思考力を問う出題内容となっていますので、丸暗記が通用しない所が難点です。
権利関係は「暗記なら得意なんだけど・・・」という方が、苦手意識を持ってしまう出題科目だと思います。しかし、50問中14問とかなりの出題割合なのでここで得点出来ないと、大きく合格から離れてしまうのが実情です。
中でも「民法」が曲者で、日常からイメージしづらい表現が多く、何度読み返しても「(゚Д゚)ハァ?」となってしまうのが民法あるあるだと思いますので、苦手意識のある方が多いのも頷けます。
更に、まともに立ち向かうと1,000以上の条文を暗記する事になってしまいます。しかし、14問中10問程度は民法絡みの出題なので捨てる事も出来ませんので、なんとも厄介です。的を絞り込んで学習するのが苦手意識を持たないための攻略法と言えるでしょう。
権利関係
法令上の制限科目では「都市計画法・建築基準法・国土利用計画法・農地法・宅地造成等規制法・土地区画整理法」等から出題されます。簡単に言うと街づくり・家造りのルールを定めた法律の知識を問う問題が出題されます。
一応丸暗記が通用しやすい科目なので、権利関係よりも対策しやすいと言えるのですが、用語の意味や定義、数字など相当細かい部分まで突っ込まれるので、高い暗記の精度が求められるため、権利関係と同様苦手意識を持った受験生が多いのが実情です。
50問中8問と割合は少なめですが、奇問・難問が出題される事も多く、ハマってしまうと全問不正解なんて事が起こり易いのが特徴ですから、まさに「鬼門」と言ってよい科目だと思います。
その他の法令
その他の法令科目では「所得税・印紙法・不動産取得税・固定資産税・鑑定評価・景品表示法・統計・土地・建物」等から出題されます。その他とまとめられているだけあって、様々な法律・法令が出題範囲となりますので的を絞りづらいのが難点です。
そのため、多くの受験生の学習がいい加減になってしまいがちな本科目なのですが、50問中8問出題されます。他の科目で合格基準に達していない場合に、最後のひと押しの得点源として機能します。
「不動産取得税・固定資産税」が出題頻度・難易度にも易しいので、確実に正解したい所です。税の分野では「 印紙税、登録免許税」あたりが取り組みやすいと思います。
複雑な所得税、毎年数値が変動する統計は、勇気を持って「捨てる」と言った時間的な細かい戦略のセオリーもあるのですが、その他法令科目については免除制度が存在しています。
その他法令科目には「5問免除」という制度があり、試験開始時点で5点をゲットした状態でスタートできるのでかなり有利です。ただし、宅地建物取引業に従事しており指定の「登録講習」を受けて修了試験に合格するという条件があります。
不動産業界で働いている方の多くはこの免除制度を活用して、合格に有利な条件を整える方も多いですから、業界に入ってから宅建の勉強を始める計画の方は、5問免除の存在を忘れないようにしてくださいね。
宅建士と関連資格の合格率を比較
ここまでは宅建だけにフォーカスして合格率を分析して来ましたが、宅建士以外の資格と比較してみると難易度がより明確になるかと思います。
宅建士と相性の良い資格の「合格率・受験資格・勉強時間の目安」も併せて整理しておりますので、よくご存知の資格や既にお持ちの資格と比べてみて下さい。
記載の資格の大部分は以下の記事で特集していますので、「どのような資格で何が出来るのか?」を詳しく知りたい方はご一読頂ければと思います。
■宅建士の関連資格の合格率等比較表 | ||||
資格名 | 受験資格 | 学習時間の 目安 |
合格基準 | 合格率 (2019年度) |
宅地建物取引士(宅建士) | フリー | 300~500時間 | 相対評価 | 17.0% |
管理業務主任者 | フリー | 400~500時間 | 相対評価 | 23.2% |
マンション管理士 | フリー | 600~700時間 | 相対評価 | 8.2% |
不動産鑑定士(短答式試験) | フリー | 800~1,200時間 | 相対評価 | 32.4% |
不動産鑑定士(論文式試験) | フリー | 1,200~2,900時間 | 相対評価 | 14.9% |
FP3級(学科試験) | フリー | 80~150時間 | 絶対評価 | 73.7% |
FP3級(実技試験) | フリー | 80~150時間 | 絶対評価 | 83.0% |
FP2級(学科試験) | 3級の合格等 | 150~300時間 | 絶対評価 | 43.9% |
FP2級(実技試験) | 3級の合格等 | 150~300時間 | 絶対評価 | 58.5% |
日商簿記3級 | フリー | 50~100時間 | 絶対評価 | 51.4% |
日商簿記2級 | フリー | 200~300時間 | 絶対評価 | 21.7% |
司法書士 | フリー | 3000時間 | 相対評価 | 3.6% |
行政書士 | フリー | 800時間 | 絶対評価 | 11.5% |
社会保険労務士 | 学歴・実務経験等 | 800~1,000時間 | 相対評価 | 6.6% |
■注意事項 | ||||
|
合格率・学習時間を見比べると、宅建は日商簿記2級よりも難しくて行政書士よりも簡単と言う位置付けになっています。「管理業務主任者」は、不動産業界のトリプルクラウンと称されるだけあって、学習時間・難易度的に宅建と相性が良さそうですね。
同じ法律系資格である行政書士と宅建をもう少し詳細に比べますと、行政書士は記述式の出題がありますが宅建士にはありません、更に行政書士には足切りはありますが、宅建にはありません。
出題範囲として同じ民法がありますが、行政書士の出題範囲のほうが難易度は高いと思います。両者は合格率としては数%しか違いが無いのですが、数値以上に難易度に乖離があると言えます。
宅建試験の合格率のまとめ
宅建試験の合格率が低くなる要因としては、総じてモチベーションの低さが大きく影響していると言った結果になろうかと思いますので、モチベーションの高い少数派に入れれば合格する可能性は跳ね上がると思います。
ただし「年齢」については、人類である以上どうしようもありません。その後の昇格や出世に大きく響いて来ますので「早め」の受験&合格をおすすめしておきます。
社会人の方は時間あたりの効率を重視するならば、資格講座の「単科講座」をスポット的に受講する、あるいはスマホで学習出来る教材を活用するなど、賢い学習戦略を立てる事も重要だと思います。
全てを市販テキスト(参考書)に頼り切りでも合格を勝ち取る事は可能ですが、特に受験生が苦手意識を持ちやすい出題科目については、独学オンリーではまんまと泥沼にハマってしまう可能性が高いと思います。
この点については、受験指導のプロである資格講座に上手に手引してもらうのが良いかと思います。
以下の記事では、おすすめの宅建士の資格講座やスマホで学習できる教材をレポートしていますので、市販のテキストだけでいまいち実力が伸び悩んでいる方や、不安な方は参考にして頂きたいと思います。